カスタムフィットスパイクを理解する

シューズのカスタマイズは、聞こえるほど単純な話ではありません。ここで言っているのはフィットのカスタマイズのことで、見た目やデザインのカスタマイズ、つまり形ではなく機能の話です。

カスタマイズに含められる特徴やデザイン、素材もありますが、今回はそれらを脇に置いて、シューズがどうフィットするか、そしてそのプロセスが企業によってどう違うのかに焦点を当てます。

フィットのカスタマイズには幅があります。最もカスタム度が高いのは、レザー製でハンドメイド、フィットチェックまで行う靴。最もカスタム度が低いのは、幅と長さだけをもとにした既製サイズです。

イラスト:幅や甲の高さが異なる3種類の足の形

Prevolveでは、生体情報や体重、足の強さ、競技やポジションも考慮に入れて、スパイクのデザインや厚みを調整しています。

足には非常に複雑な要素があるため、シューズのカスタマイズにどこまで手をかけられるかに実質的な上限はないのかもしれません。ですが私たちは時間と資源に限りのあるこの地球に生きているので、無限にカスタマイズすることはできません。

アプローチにどんな違いがあっても、フィットのカスタマイズはどのバージョンも靴型(ラスト)によってフィット、つまり足が実際に収まる内部の空間を決めています。シューズはそのラストの形に沿って作られ、通常はアッパーに圧力と熱を加えて形状を写し取ります。

イラスト:幅や甲の高さが異なる3種類の足の形

シューズのラストはフィットの源であり、その重要性はいくら強調してもし過ぎることはありません。シューズの性能は、多くの人が思う以上にラストによって左右されます。フィットさせるべき箇所にはしっかり沿わせ、そうでない箇所には余裕を持たせる。これができるかどうかが、快適でハイパフォーマンスなフィットと、単なる近似的なフィットとを分けます。だからこそ私たちは何年もかけて自社のラスト設計アルゴリズムを磨き上げてきました。その詳細はこちらの記事で紹介しています

また、シューズがカスタムフィットだからといって、それが必ずしも足に良いとは限りません。足本来の形や、より健康な状態に近づくために足がどう変化すべきかを考慮せずにカスタムシューズを作っている企業も少なくありません。

現実に存在する選択肢

実際に今、どんなカスタムシューズの選択肢があるのでしょうか。大きく分けると、手作業による伝統的なカスタムシューズ、アルゴリズムによるカスタマイズ、そして半標準化されたカスタムフィットの3種類になります。

カスタムフィットのハンドメイドシューズ

まずはカスタマイズの中で最も古い形、手作りのレザーシューズから見ていきましょう。これは何千年もの歴史があり、きちんと作るには職人と伝統的な靴作りの道具が必要です。同時に廃れつつある技術でもあり、費用も高く、1足1,500ドル以上、しかも数ヶ月の待ち時間がかかることも珍しくありません。

イラスト:ラストにアッパーのパターンを合わせる靴職人

こうした靴職人は、足の型を取ったり、片足ずつ個別に採寸したりした上で、本番のシューズを作る前に試作品を作ってフィットを確認するのが一般的です。人気の高い2社を紹介します。

  1. Robert Mathews、カジュアル・伝統的なシューズ、1,495ドルから。
  2. Crary Shoes、カジュアル・伝統的なシューズ、1,100ドルから1,800ドル。

お住まいの地域にも、同じようなサービスを提供している靴職人がいるかもしれません。「カスタムフィット レザーシューズ」で検索してみてください。

既製ラストによるカスタムフィット

こうした企業は、あらかじめ用意した複数のラストデザインのライブラリーを持ち、その中から最も近いものをお客様に当てはめます。スキャンやフォトグラメトリーを使って足の簡易的な3Dモデルを作成し、カタログの中から最も合うデザインとマッチングする仕組みです。あなたの足が平均的な形に近ければ、この方法でも十分に機能します。ただし、平均から離れた足の形の場合、問題を本当に解決できるほどのカスタム性は得られないかもしれません。この半カスタム方式を採用している企業には次のようなものがあります。

  1. Bauer、ホッケー・スケートシューズ、1,300ドルから1,800ドル。
  2. Imotana、サッカースパイク、190ドル。
  3. Zellerfeld、ファッション・テックシューズ、おおよそ200ドルから300ドル。
  4. FUSED Footwear、ファッション・テックシューズ、おおよそ100ドルから300ドル。

アルゴリズムによるカスタムフィットシューズ

この10年から20年の間、多くのスタートアップがこの市場に挑戦しては撤退していきました。現在、本気でこの分野に取り組んでいる企業は数社に絞られます。

  • Prevolve Footwear、スパイク付きアスレチックシューズ、595ドルから795ドル。
  • Lore.cc、サイクリングシューズ、1,300ドルから1,800ドル。
  • Hezo、サイクリングシューズ、330ドル。
  • Vivobarefoot、VivoBiome。

これらのブランドの多くは、何らかの足のスキャンやフォトグラメトリーを使って足の3Dモデルを作成し、場合によっては追加の写真やフィットの好みに関するメモで内容を確認します。このモデルが確定した後、これらの企業はアルゴリズムによる3Dモデリングを実行し、シューズ自体をデザインします。

イラスト:エンジニアリングノードがPrevolveスパイクの形状へと展開していく様子

ハンドメイドの選択肢に比べると精度はわずかに劣りますが、デザインとパターン作成という手間のかかる作業をコンピューターに任せることで、カスタムフィットシューズを作る時間とコストを大幅に削減できます。

このカテゴリーに属する企業のすべてがミニマリズムの原則に基づいてシューズを作っているわけではないため、カスタムであっても足に良いとは限りません。

まとめ

今日では、これまでになく多くのカスタムフィットシューズの選択肢があります。大切なのは、自分が実際にどのレベルのカスタマイズを受けているのかを理解すること、そしてその企業が足本来の形やバイオメカニクスを理解しているかどうかを見極めることです。そうした知識のないカスタマイズでは、不要な痛みやケガを招くことがありますし、待ち時間やコストも既製品に比べてかなり高くなる傾向があります。この記事が、自分の足に合う最適な一足を探すうえで、業界の全体像をつかむ助けになれば幸いです。

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